伝統儀式~力いっぱい投げ付ける奴は将来優しい大人にはなれない。
 古の時代より異界と接し、禁断の儀式によって安寧を保ってきた皆神村。
 暦も2月を迎えて間もないある日、祭主である黒澤良寛直々の招聘によって、
 村の祭事を司る宮司たちが彼の屋敷の奥深く……家人ですら滅多に立ち入らない祭壇の間に集っていた。

「此度の会合の目的はいったい何であろうか」
「近頃ではあの場所の鳴動がより一層激しくなってきていると聞く」
「それでは次なる紅贄祭の巫女を決しようと言うのであろうか」
「今の村には立花と黒澤の双子しか居りますまい。そのどちらかが」

 集った誰ひとりとして今回の会合の目的を知らずに憶測を囁き合うばかり。
 やがてそこへ主催者である黒澤良寛が遅れて登場し、いよいよその真意を口にする。
 宮司たちは固唾を飲んで、その言葉を待っていた。

「皆の者、静粛に。此度集まってもらったのは他でもない。皆も知っておろうが……
 近々行われる節分の豆まき大会の逃げる鬼役を、ここで決したいと思う」
 
 宮司たちがどよめいた。
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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

【 2014/02/02 09:55 】

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