村八分。いいえ教室八分です。
 およそ一ヵ月半におよぶ長い長い夏休みが終わり、
 級友との久方振りの再会を祝う教室にはこんな言葉が飛び交う。

「日焼けしたね」
「髪型変わったね」
「イメージ変わったね」

 過ぎ去ってみればアッと言う間の一ヵ月半も、
 人の心境や雰囲気を変えるには十分な時間である。
 自分自身では感じ取れない程度の小さな変化も、
 久方振りに顔を会わせる他人にとっては劇的な変化だ。

 そんなお互いの変化をお互いに驚きながら指摘し合うのもまた、
 夏休み明けの定番の光景と言えるだろう。

 いつもは無口で無表情で無愛想な私も思い切って、
 賑やかな級友たちの輪に、明るく努めて入り込んでみることにした。

「みんな久し振り。
 あ、もしかして背後霊代わった?
 お、そっちには焼け死んだ人の霊が。
 みんなイメージ変わったよね、取り憑いてる霊が変わったせいかな」



「――と、私は精一杯友達を作ろうと努力してたのに友達できなかったのは
 私の所為じゃなく心の狭いクラスメイトたちの所為ですよね

 至って真剣に自己主張を繰り返す深紅から視線を逸らし、
 ただただ曖昧な相槌と空返事を返すことしか怜にはできなかった。



夏休み明けには髪の色が不自然になっていたり眉毛が無くなっている人がいましたね。

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【 2011/09/01 23:01 】

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