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ある夜の金縛り。
 怜が異様な寝苦しさに目を覚ましたのは、夜もとっぷりと更けた頃だ。

 窓の外では、帰宅途中で突然降り出した雨が今も尚降り続いている。

 まるで胸を締め上げられているかのような強烈な圧迫感。
 それはあの【眠りの家】事件の最中に感じていたものとは違う、
 しかし勝るとも劣らない悪夢のような感覚。

 身体中をベッタリと濡らす汗がその悪夢を物語っていた。



「あれだけ酔っ払って、雨に濡れて帰って来たから風邪でもひいたんじゃないですか」

 雨もあがり、ようやく晴れ晴れとした朝を迎えた怜。
 だが昨夜の久方振りの恐怖体験を言って聞かせるなり
 一笑に伏してしまった深紅に、心は晴れなかった。

「風邪なんかじゃないって。服とかちゃんと着替えて寝たし」

 確かに昨夜は仕事先との付き合いで酔っ払って帰宅した。
 その途中で突然の大雨に見舞われた怜は
 家に辿り着いた頃にはまさに“パンツの中までびしょ濡れ”状態だった。
 酔っ払っていた所為で記憶は曖昧だが、
 出迎えてくれた深紅に散々なお叱りを受けた挙句に部屋に押し込まれたと思う。

 酔っ払って、
 雨に濡れて、
 風邪をひいて、
 そのせいで久し振りの悪夢にうなされた――のだろうか。

「シャワー浴びてスッキリした方が良いですよ。服も汗でビショビショですし」

 深紅に言われると『そうかもしれない』と思う。思いながら、
 汗で濡れてしまった服や下着を丁度洗濯途中の深紅に預けてバスルームに入った。

 やれやれ……と溜め息をつく深紅。

 怜の洗濯物を洗濯機に放り込もうとしたところで、その手が止まった。

 ……これ、私のブラジャーじゃ……

 震える手でとても見覚えのある下着を握り締めながら、
 ガラス戸越しに見える、
 怜の比較にならないほど育ちすぎた身体の一部分を愕然と眺めていた。



みなさんは金縛りにあったことはありますか。

時に心霊現象の一種だとか
時に身体が疲れている所為だとか言われる金縛り。

私月華も金縛りにあったことは幾度かありますが、
その全てが後者の疲労の所為なのでしょう、やっぱり幽霊など微塵も感じなかったものです。
霊感が無いだけではなく縁も無いようです。

まぁ遭遇しないに越したことはないですけどね。
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テーマ:自作小説(二次創作) - ジャンル:小説・文学

【 2010/06/01 23:06 】

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